崎山酒造廠の泡盛蔵のある金武町伊芸は裏手の山々から流れる
豊かな水に恵まれ、沖縄本島ではあまり見られない稲作が盛んな地域だ。
四季折々の田園風景は本当に美しくきらきらと薄く水の張られた田んぼに
小さな苗が整然と並んだかと思うと、あっという間に緑色で埋め尽くされ、
金色の稲穂が実り輝き始める。
収穫後の土色には農家の方々の充実感がずっしりと漂う。
春先の田んぼはまるで女子会のように、一面とコスモスの花で
ピンクや赤が風に揺れグラデーションが美しく大勢の家族連れでにぎわいを見せる。
蔵人が泡盛への情熱を傾け、日々探求している姿、米の蒸しから麹造り、
仕込み、蒸留、熟成までを通して大切に造り上げていく光景も、
一年を通して日々変化する細やかな季節感に似ている。
全ては泡盛の旨さを最大限に引き出す取り組みだ。
私たちは地域の酒蔵として、身近な美しい自然と向き合い、
地域に暮らす人々とのより良い関係を高めていきたいと願う。
長年取り組んできた製造での電力の使用量や重油やCO2の削減を
含めた地域環境問題、米洗浄時のとぎ汁、蒸留かすなどの浄化対策は
重要課題として、効果的な方法に取り組みつつ常に気を配り、
これからも変わらずに信頼を積み重ねていかなければならない。
今年も春を祝うように咲き始めたコスモスが満開の時期を迎えました。
花畑をぜひ見に来てください。
琉球新報記事より