泡盛は、熟成させて風味を高めていく古酒造りを現代まで継承している国内最古の蒸留酒と言われています。焼酎には、焼酎甲類(連続式蒸留焼酎-クセがなくすっきりピュアな味わい)と焼酎乙類(単式蒸留焼酎-個性的でしっかり濃ゆい味わい)とがあり、分類上では、泡盛は焼酎乙類の一種となります。琉球泡盛は、単式蒸留である以外に①沖縄産であること、②米を使用すること、③黒麹菌を使用すること、④一次仕込み(全麹仕込み)であることが条件となります。
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常圧蒸留と減圧蒸留の違いは?
単式蒸留には、常圧で蒸留する方法と、釜の内部を減圧して蒸留する方法とがあります。減圧蒸留すると淡麗かつソフトに仕上がり、常圧蒸留すると古酒造りに向く酒本来の個性が引き出されます。当蔵では「旨み」にこだわっているため、常圧蒸留のみ採用しています。
瓶貯蔵と甕貯蔵の違いは?
どちらも味は丸くなりますが、変化の度合いに違いがあります。甕貯蔵の泡盛は早く濃醇な味と香りに、瓶貯蔵はゆるやかに落ち着きのある変化となります。これは甕に由来する香りが付くことや甕の陶土から溶出する成分により熟成効果が高められるためと言われています。瓶貯蔵は失敗せず泡盛本来の熟成が知りたい人に向いており、甕貯蔵は唯一無二の味わいや変化を楽しみたい人に向いてます。
長期貯蔵中に品質は低下しないのですか?
泡盛は、長期貯蔵することによって味が丸くなり、熟成して香気成分が変化します。しかし、泡盛を貯蔵していると油が浮いてくることがあります。これを放っておくと油臭がついてしまいますので、清潔なアク取りシートなどで取り除いて下さい。※蒸留したままの泡盛原酒には米由来の油分が含まれており、瓶詰め前に適切に除去しています。
どのように保管すればよいですか?
極端に高温多湿または低温の場所、直射日光のあたる場所を避け、冷暗所にて保管してください。また乳幼児の手の届かない場所に保管してください。
仕次ぎについて
「仕次ぎ(しつぎ)」とは、泡盛をさらに美味しい古酒に育て、永年古酒を楽しむためのブレンド方法です。数百年にわたり古酒としての風味をそこなわず、子孫代々伝えていくことが出来るとされています。
まず年数のことなる複数のクースーを甕貯蔵します。
そして、最も年数が古いクースーが減った分(取り出して飲んだり、蒸発で減った分)、次の年数のクースーを減った分だけ古い甕へと、順次補充していくという方法です。
この方法であれば、常に若々しい活力のある泡盛が一定量ブレンドされるため、貯蔵したクースー全体の活力が保たれ、香り成分などが増していくのです。
ご家庭での仕次ぎ貯蔵甕としては、3升~1斗甕のサイズが一般的です。最も年数の古い甕を「親酒(アヒャー)」と呼びますが、親酒から汲み出すのは「年間に10%以内」とされています。逆に言うと、年間に親酒の10%分を楽しむことができる!ということになりますので、楽しみたい量に応じて仕次ぎ甕の大きさを決められてはいかがでしょうか。
この技術がみられるのは、世界中の酒類の中で、シェリー酒(ソレラsolera)と泡盛のみです。それは、超長期熟成に耐えられる酒であることが前提とされるからです。だからこそ、泡盛文化を世界に誇ることが出来るのですね。
なお、当蔵でも仕次ぎ甕や酒をご提供しております。ご希望の方は、仕次ぎで古酒を育てるページをご参照いただき、ご相談ください。
古い泡盛があるのですが、まだ飲んでも大丈夫ですか?
泡盛には賞味期限がありません。
保管条件(最重要!)にもよりますが、未開封で破損していない瓶貯蔵の泡盛ならば、何年、何十年経っていても、飲むことができます。
泡盛はアルコール度数が高く、泡盛自体に殺菌作用があり、優れた保存性があるためです。
保管条件としては、直射日光があたる場所や、極度の湿気、高温の場所で保管していないことなどがあげられます。
しかし、開封した時点で、明らかに異臭がする場合やカビなどが瓶内部に付着物がある場合は、絶対に飲まないで下さい。
(きちんと瓶詰めされた容器や泡盛自体にカビが生えることはありません)
甕貯蔵の場合は、ご自身で判断せず、ご購入された販売店さまなどへご相談下さい。
古酒の日
9月4日は、琉球泡盛の古酒を楽しむ日です。
ご家庭や飲食店で古酒のおいしさを味わったり、古酒文化について語り合う時間や空間をつくることで、古酒文化を広めることを目的としています。
「古酒の日(クースの日)」は、泡盛百年古酒元年実行委員会により、古酒文化の継承と発展を広く伝えるため制定されました。
泡盛や古酒文化について周知して頂くため、沖縄県酒造組合青年部主催のイベントなどが開催されてます。
9月4日には、古酒を味わい、楽しんでみてはいかがでしょうか?
古酒とは
「3年以上貯蔵した泡盛」を「古酒(クースー)」と呼びます。
泡盛は、年月をかけて熟成させることで、まろやかで甘い芳香を薫わせるお酒に育っていきます。
世界中のお酒の中でも、とりわけ古酒造りに適しているとされる泡盛の大きな特徴とされています。
泡盛の誕生や表示/定義につきましては、泡盛の歴史ページをご参照ください。