前回紹介した日本酒度のつづきです!
前回書かせてもらったように、
日本酒度というのは「もろみ中の糖分の比重をはかる」分析項目です。
どうやって測るかというと…
まず、量りたいもろみをろ過して、
液体のみにします(→これをろ液といいます。)。
このろ液をこれで測ります!
その名も「清酒メータ」!
こちらは前に日誌で紹介させて頂いた機器です。
この機器にろ液を準備。
このろ液を清酒メータにホースを通して吸ってもらい日本酒度を測定します。
待つこと2~3分。
ピピピピピピッ!
という音が鳴り結果が画面に表示されます!
はっ!ハイテク!!!
ボタンひとつでもろみの日本酒度を知ることが出来ます!
ここで、気になることがあります…
清酒メータが来たのが●年前。
ということはその前は日本酒度を測っていなかったの?
と、思ったのですが!
日本酒度というのはとても大事な項目。
もちろん測っていました!
しかし、「清酒メータ」ではなく、
以前は「ふひょうけい」なるもので測定していたそうです…
また訳の分からない単語の登場です!!
「ふひょうけい」についてはまた次回書かせていただきます。
…日本酒度編長くなりそうです(汗)!
このたび平成26年度泡盛鑑評会の「古酒の部」で
「松藤6年古酒」が優秀賞および県知事賞をいただきました!
県知事賞は、優秀賞の酒造の中から今回5酒造が選ばれ、その中の一つとして
私たちの泡盛も選ばれたとても名誉ある賞です。
このような評価をして下さった皆さん、ありがとうございます。
この「松藤6年古酒」をつくるまでに
何度も試飲を行い、
あれでもないこれでもない!
あ、これも美味しい!でもこれも…!
と、鑑評会に提出するお酒を選ぶのがとても難しく、
いくつか候補があったのですが、提出するのが2つと決まっており、
厳選しなければいけなかったので、とても大変でした。
皆で選んだお酒が受賞したことをとてもうれしく思います!
6年古酒をつくるにあたって、
この時はこんな造りだったよね!
確かこんな麹で、蒸留したときはこんな味だったよね!
と、この子(6年古酒)のことを思い出して話をすることができたので
とても良い機会をいただいたな。と、製造一同感謝しています。
今まで以上に身を引き締めて泡盛製造に力をいれていきたいと思います。
泡盛のもろみが順調に成長しているか?を知るには、
見ること・聞くこと・嗅ぐことの他に
専用の機器を使用して知ることが出来ます。
機器を使用する分析方法として、
前回紹介したアルコール度数のほかに
「日本酒度」というものを調べる方法があります。
日本酒度というのは、
泡盛もろみ中の糖分の比重を測る項目です。
この日本酒度の数値(目盛り)は、
蒸留水の重さを0とします。
もろみ中にはお米の糖分があります。そのためもろみは水より重いです。
なぜ重くなるかというと、糖分は水より重いためです。
その糖分が多ければ多いほどマイナスの値になっていきます。
蒸留水より軽くなるには糖を少なくし、かつアルコール濃度を高めることで、
水より軽くなり、プラスの値がでてきます。
…と、文章だけでは分かりずらいので、
次回に日本酒度の測定方法となぜ糖分を測る必要があるのか?
を紹介させて頂きます。
只今沖縄は台風19号の中にいます…!
一昨日から風が強く、昨日も髪の毛がボサボサになるほど激しさが増して、
今日は強風と雨。
台風対策(外にあるものを中に。窓は鍵閉め。雨漏りしそうなところにはビニール!)
は、昨日で終わっていて、
今日は作業縮小…
泡盛の麹造りは台風が去ってから再開です。
今日の昼から最接近のようです!
工場耐えてくれ…!
みなさんも台風対策はしっかりして、
出来るだけ外に出ずに過ごしてくださいね!
今回の機器はこちら!
オートクレーブ!
カタカナではこれが何の機器なのか分かりづらいですよね…
日本語名では「高圧蒸気滅菌器」
と呼ばれており、
高圧の蒸気で殺菌より上の滅菌!を行うことが出来る機器です。
この機器は、
酵母を育てるとき(酵母の培養)に使用する培地を滅菌するためや、
クリーンベンチ内で使用する器具(シャーレやスポイトなど)
をあらかじめ滅菌しておくなど
洗剤で洗うよりもキレイに出来るとっても優秀な機器です!
どうしてここまでするかというと…
お酒を造るためには微生物(黒麹菌・酵母etc…)の力を借ります。
その子達だけが育ちやすい環境にするために、
何もいない状態にしてあげることが大事になってきます。
他の微生物がいると、育てたい子が負けてしまう可能性があるためです。
この機器はその土台を作ってくれる大事なものです。
オートクレーブさん素敵です…!
機器シリーズ第五弾は、
インキュベータ です!
日本語名を恒温槽(こうおんそう)という代物。
インキュベータの性能として、
恒温=温度が一定である=同じ温度の空間にしてくれる機器です。
これをどのような時に使用するかというと、
昼夜関係なく適温を一定で保ちたい時。
種モロミづくりの前準備として行う 酵母の培養 や、
前回紹介した 酵母の植え替え(植菌) の
際に使用します。
この子のお陰で酵母が順調に培養、育ってくれます!
ありがとう!インキュベータ!
検尺というのは、酒の量を測定する作業のことです。
なぜ酒の量を測るのかというと、
お酒が瓶に詰められる際に減った量とあたっているかなどの確認のためです。
どのように測るのかというと、
長い棒に目盛りのついた検尺棒(→小道具②を見て頂けると幸いです)という道具を
お酒の入った容器内にまっすぐ静かに入れていき、
検尺棒の目盛りで酒の量を測定します。
同時に、酒質のチェック(前回との味、香りの変化)も行います。
このチェックの際、カメを開けるとお酒のいい香り(古酒香など)がして、
お酒の成長がみえて楽しくなる作業のひとつです。
今年も早くも9月に突入!!
中秋の名月にスーパームーン!!
太陽の日に日にと短くなって朝夕と少しずつ涼しくなってるような・・・・
が、しかし
日中はまだまだ真夏!!暑いのって何の!!
まっ、それと関連はないけれど・・・
今日は三角棚の大掃除!!
これで今週の準備も万事OK!
これはただの棒…?
いえ、違います!
検尺棒(けんしゃくぼう)
という酒の量を測る道具です!
近くで見るとこのように目盛りがついていて、
これで容器(ステンレス・甕)内のお酒の量を知ることが出来ます!
測り方については次回!
機器シリーズ第4弾は、 「分注器(ぶんちゅうき)」です!
分注器というのは、字のごとく分けて注ぐ機器です。
この機器をいつ使用するかというと…
熱々の液体培地を試験管へ均等に入れる際に使用します!
分けて入れるだけなら計量カップなどでいいのでは?
と思うかもしれませんが、
この液体培地というのには、よく寒天が含まれています。
そのため冷えると固まり、せっかく計っても試験管に移す際にカップに残ってしまうことがあります。
しかし!分注器はこのように注射器のような構造をしており、
計った液体をすべて試験管に移すことが可能なのです!
この子には、斜面培地や細菌検査用の培地調製時に、
とてもお世話になっています。
ありがとう!分注器!
先日斜面培地を作りました!
(斜面培地については、前回の「斜面培地①」を見てもらえると幸いです)
まず材料から。
量りとった培地の栄養3つと、
液体を固めるために寒天を三角容フラスコで混ぜます。
ただ混ぜるだけでは混ざりきらない子達なので
熱(お湯)で温めてキレイに混ぜます。
→
少しわかりづらいですが、キレイに混ざると液体が透明になります。
この熱くなった液体を分注器というハイテク機器で
加熱滅菌を行った試験管に7mlずつ分注(分けて注入!)し、
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌します。
滅菌した液体を冷めないうちに傾けて寝かせておきます。
この液体には寒天が入っているため、冷えると固まります。
固さは羊羹(ようかん)くらいです。
これで完成!
傾けた部分に酵母を住まわせ(→酵母の植菌)、生きてもらいます!
どうして斜め?かというと、
試験管を立てたままだと円柱上の上・直径1.5cmのスペースでしか生きられない!
狭い!狭すぎる!
ということで、
斜めにして居住スペースを広くして、酵母には踏ん張って過ごしてもらっています。
ごめんよ酵母!
泡盛製造で必要不可欠な酵母。
その酵母は斜面培地と呼ばれるもので保存し使用しています。
斜面培地は、
いわば酵母だけのお部屋です。
この部屋には酵母が生きていくための栄養分が
下の乳白色の部分にあり、
それを食べながら酵母は生きてくれます。
この部分はどうやって作っているかというと…
こちらに関しては今度作る機会があるため、
その時に写真も交えて説明させていただきます。