検尺というのは、酒の量を測定する作業のことです。
なぜ酒の量を測るのかというと、
お酒が瓶に詰められる際に減った量とあたっているかなどの確認のためです。
どのように測るのかというと、
長い棒に目盛りのついた検尺棒(→小道具②を見て頂けると幸いです)という道具を
お酒の入った容器内にまっすぐ静かに入れていき、
検尺棒の目盛りで酒の量を測定します。
同時に、酒質のチェック(前回との味、香りの変化)も行います。
このチェックの際、カメを開けるとお酒のいい香り(古酒香など)がして、
お酒の成長がみえて楽しくなる作業のひとつです。
今年も早くも9月に突入!!
中秋の名月にスーパームーン!!
太陽の日に日にと短くなって朝夕と少しずつ涼しくなってるような・・・・
が、しかし
日中はまだまだ真夏!!暑いのって何の!!
まっ、それと関連はないけれど・・・
今日は三角棚の大掃除!!
これで今週の準備も万事OK!
これはただの棒…?
いえ、違います!
検尺棒(けんしゃくぼう)
という酒の量を測る道具です!
近くで見るとこのように目盛りがついていて、
これで容器(ステンレス・甕)内のお酒の量を知ることが出来ます!
測り方については次回!
蒸留後の泡盛は、メートルボックスの中を通って、初留、中留、後留の順に地下タンクへ流れていきます。
蒸留を終えると、次は、検定作業を行っていきます。検定というのは、蒸留を終えたばかりの泡盛の容量(ℓ)、アルコール度数(%)、そして温度(℃)を正確に計測することです。
蒸留直後のアルコール度数は、だいたい44度くらいです!
なぜアルコール度数が44度かというと・・・泡盛は酒税法上、アルコール度数が45度以下と定められているので、44度になるように蒸留を調整しているのです。
ちなみにアルコール度数が45度以上だと、スピリッツになります。
機器シリーズ第4弾は、 「分注器(ぶんちゅうき)」です!
分注器というのは、字のごとく分けて注ぐ機器です。
この機器をいつ使用するかというと…
熱々の液体培地を試験管へ均等に入れる際に使用します!
分けて入れるだけなら計量カップなどでいいのでは?
と思うかもしれませんが、
この液体培地というのには、よく寒天が含まれています。
そのため冷えると固まり、せっかく計っても試験管に移す際にカップに残ってしまうことがあります。
しかし!分注器はこのように注射器のような構造をしており、
計った液体をすべて試験管に移すことが可能なのです!
この子には、斜面培地や細菌検査用の培地調製時に、
とてもお世話になっています。
ありがとう!分注器!
先日斜面培地を作りました!
(斜面培地については、前回の「斜面培地①」を見てもらえると幸いです)
まず材料から。
量りとった培地の栄養3つと、
液体を固めるために寒天を三角容フラスコで混ぜます。
ただ混ぜるだけでは混ざりきらない子達なので
熱(お湯)で温めてキレイに混ぜます。
→
少しわかりづらいですが、キレイに混ざると液体が透明になります。
この熱くなった液体を分注器というハイテク機器で
加熱滅菌を行った試験管に7mlずつ分注(分けて注入!)し、
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌します。
滅菌した液体を冷めないうちに傾けて寝かせておきます。
この液体には寒天が入っているため、冷えると固まります。
固さは羊羹(ようかん)くらいです。
これで完成!
傾けた部分に酵母を住まわせ(→酵母の植菌)、生きてもらいます!
どうして斜め?かというと、
試験管を立てたままだと円柱上の上・直径1.5cmのスペースでしか生きられない!
狭い!狭すぎる!
ということで、
斜めにして居住スペースを広くして、酵母には踏ん張って過ごしてもらっています。
ごめんよ酵母!
洗米後の米のとぎ汁はとても栄養分が豊富でうちではそれを利用しEM発酵液を作っていますよ~!
それをただで配っているので、地元の方はもちろん他の地域の方がきて、ペットボトルなどに入れ持ち帰っています。
皆さん自家菜園や家の掃除などに使っているそうでありがとうととても喜ばれて帰られます^^
泡盛製造で必要不可欠な酵母。
その酵母は斜面培地と呼ばれるもので保存し使用しています。
斜面培地は、
いわば酵母だけのお部屋です。
この部屋には酵母が生きていくための栄養分が
下の乳白色の部分にあり、
それを食べながら酵母は生きてくれます。
この部分はどうやって作っているかというと…
こちらに関しては今度作る機会があるため、
その時に写真も交えて説明させていただきます。
蒸留工程を終えて流れでてくる泡盛は、最初から最後まで同じアルコール度数・同じ香り・同じ味ではないんですよ!!アルコール度数によって三つに分類されます。
まずは、初垂れ(初留)・・・蒸留して最初にメートルボックスに流れてくる泡盛。そのときのアルコール度数 は60度~70度くらい。アルコール度数はとても高いけど、とても華やかな香りと混じっ気のない爽やかな味わいですよ。
次にでてくるのが、本垂れ(中留)。味の中核になるところで、アルコール度数は25度~60度くらいまで。本垂れが大部分をしめるので香りも味も泡盛らしい味わいです。
末垂れ(後留)・・・アルコール度数が25度以下が末垂れ。アルコール度数が下がるのはもちろん、香りも徐々に減少していき、最終的には水っぽい感じになっていきます。
写真では見ずらいかもしれませんが、メートルボックスの中にある棒の様な物(アルコール用)浮標計が短い時が、アルコール度数が高い状態で、後留時のように長くはっきりみえるときはアルコール度数が低い状態です。
この3つの部分が全て合わさって香り良し、味し良しのバランスが取れた泡盛・松藤ができるんです。
名称:メートルボックス。
加熱・冷却し終えてできた液体は泡盛となって、メートルボックスの中を通ってタンクへ移動していきます。蒸留中は次から次へとできたての泡盛が溢れんばかりの勢いでこのメートルボックスの中を流れていきます。
ここでは流れくる泡盛のアルコール度数・温度を参考にし、最終的には実際にテイスティングしながら蒸留を終えるタイミングを決めています。
蒸留カットする作業は、とても重要で、タイミング一つで香り、味、度数など泡盛全体に影響します。なので、蒸留カットする瞬間は、毎回毎回緊張しています!!
試留(しりゅう)とは!
泡盛のもろみの状態を知るために行う分析項目です。
これはもろみ中のアルコールを測定するもので
過程としては、
まずもろみの米の部分を取り除いた液体部分を準備し、
丸底フラスコに入れ試留機に仕掛けます。
下から熱で熱くして液体を沸騰させ、アルコール部分を気体にします。
その気体を冷却管(冷たい水をまわりに通した管)に通して気体を冷やします。
すると、気体は液体に変わり、下の受ける口(崎山酒造ではメスシリンダーです。)でアルコール部分の抽出ができました。
この抽出した液体を清酒メータでアルコール度数を測定!
これで度数が分かり、もろみの管理温度を下げるか?あげるか?などの判断をすることができます。
他にも、もろみの状態を知るために行う分析項目がもう少しあります。
それは次回書かせてもらいます!
今年もやってきました!お盆の季節が!!
県内各地で、エイサーの太鼓の音が鳴り響いています。
沖縄のお盆は旧暦で行うので今年は、8月8日がウンケー(ご先祖様をお迎えする日)、8月9日がナカヌヒー(中の日)、そして最終日の8月10日はご先祖様をお送りする日、ウークイ。
崎山酒造廠創業から今年で109年目。
創業から100年数年経った今でも、日々泡盛造りに携われるのもご先祖様や多くの先輩方方の苦労や努力があったからこそだと思います。今年のお盆も今日が最終日。ご先祖様や多くの先輩方に感謝しつつ、もっと頑張らないといけないな!って思う旧盆です。