貯蔵期間を終えると、次は割水を行っていきます。
割水とは、貯蔵したお酒に水を加えて、アルコール度数を調整していくことです。
ここで重要なのは、アルコール度数だけでなく、味や香り、お酒全体のバランスも調整していきます。44度の泡盛を一般的な度数30度まで割水していくと、水がお酒全体の約30%も入るんですよ!だから割水を行う、”水”というのはとても重要で酒質にも影響してくるんです。
そこで私達、崎山酒造廠では、割水を行う水は こだわりのお水をしようしてます。工場裏手の恩納岳から流れる山清水(そのお水は沖縄で珍しい軟水)を使用している為、まろやかでコクのあるやさしい味わいになるんです。
「黒麹菌・食文化圏における琉球泡盛を世界無形文化遺産登録に!」という事で先週日曜日に行われたシンポジウムへ行って来ました!
基調講演されたのは、琉球大学客員教授・東京農業大学名誉教授、小泉武夫先生。醸造学・発酵学・食文化論を専攻し、色々な分野で活躍されている先生です!
講演では、黒麹菌の特徴やそれを使ったお酒、泡盛や琉球料理が世界的に注目されている。これは世界無形文化遺産に登録すべきだ!と熱く語ってくださいました!
その熱い想いに対して僕らメーカー側はなにをすべきか…
やはりまず県民にもっと泡盛を知ってもらう。実際どうやって泡盛はできているのか、黒麹菌って何?などわかる人は少ないと思います。それを色々な場面でわかりやすくし、知ってもらう事で県全体で盛り上げ世界無形文化遺産登録に少しでもつながるんじゃないかとおもいました。
僕らも少しでも多くの方に知ってもらえるよう日々努力していきたいです(^^)
仕込み中発酵しアルコールを作るのに重要な役割する、種モロミ。
最近は気温の変化も激しく管理するのに難しい季節になってきました。とてもデリケートな種モロミは外気で温度が左右される為、暖房やクーラーをつけたり、さらに気温の低いときは毛布もかけたりして調整していますよ!
まるで我が子のように…ですね(^^)
これでいつも美味しい泡盛ができるんです♪
蒸留を終えた泡盛は、貯蔵期間に入ります。
蒸留直後のお酒は、ガスが抜けてなく味も香りも荒々しい感じなのですが、貯蔵期間中に徐々にガスが抜けていき味も香りも安定していきます。
上↑の写真は、貯蔵期間中にお酒の状態をチェックしています。
かなり前の話なんですが・・・ 2014年6月1日のブログ に書いた、崎山酒造廠には二つの常圧蒸留機があります。って話のことです。
ブログの蒸留シリーズに色々書いたように、蒸留は酒質に香りや味わいの影響を与えるとても重要な工程です。例えば、蒸留機本体の形、容量、わたりの大きさ、長さ、そして吹き込み蒸気の量などなど。。
そこで崎山酒造廠では、二つの蒸留機を造りたい酒質によって使いわけているんです!
小さな蒸留機では、芳醇な香りで、濃厚で深みのある味わいを出すときに使用するのが蒸留機1号!
主に101酵母や特別なお酒(蒸留仕立てや原酒・・・)の時に使用しています。下↓
写真の左側、大きな蒸留機では、華やかな香り、風味良く、やわらかくやさしい味わいになります。主に赤の松藤(黒糖酵母仕込み)や、ちゅらひかり(吟香酵母仕込み)など特徴的な香りを出すときに使用するのが蒸留機2号! 下↓
従来の松藤と香りが特徴的な赤の松藤を飲み比べてみるのも楽しいですよ。
三角棚に敷いてその上に麹をのせます。ただの布ではなく特徴があって、厚手なのにしっかりしていて通気性がいいです!なので蒸れたりもしないんですよ~!
だいぶこの布使い込まれていて、破れたり、穴が開いたりするんですがそのたびにミシンや手で縫っては補修を繰り返しています…
でもまだまだ使えるしこれからも頑張ってもらうつもりです!
大丈夫だよな麹布君!!まだまだ一緒に頑張ろうな(^^)
※前回の日本酒度の測定方法のつづきです。
よろしければ「日本酒度①、②」から読んでみてください。
前回、「ふひょうけい」となるものが存在すると紹介させて頂きました。
そしてこれが!
これが「浮ひょう計(ふひょうけい)」という機器です。
アップにすると下はこんな感じで↓
丸く太っていて真ん中は空洞、
下の方には水銀が入っています。
上は細くなって目盛が。
この機器を使ってどうやって測定するかというと!
(こちらからは下手な絵で説明させて頂きます!)
まず前回同様測定したいろ液を120ml用意します。
これをメスシリンダーに入れて、15度まで冷やします。
(冷やし方は、冷蔵庫に入れたり、氷水で冷やしたり等)
15℃に冷やす理由としてあるのは、
測定時の温度によって日本酒度に差が出てしまうためだったり、
統一することで比較しやすいため
15℃で統一して量ります。
15℃になったろ液に浮ひょう計を優しく少し回転させて入れます。
するとどうでしょう!
目盛のところでプカプカと浮きます。
そして目盛の値を目で確認!
この時の値が、日本酒度数です。
この浮ひょう計…
清酒メータのボタンひとつで後は待つだけ!
に比べたら、、、たっ大変…!
世の中とともに醸造の世界もハイテクになったんだなー
と感じる分析方法です。
先日のタンカン梅酒の調合の様子です!
今回の原料もタンカン独特の甘さがあっておいしく出来上がりましたよ(^^)
前回紹介した日本酒度のつづきです!
前回書かせてもらったように、
日本酒度というのは「もろみ中の糖分の比重をはかる」分析項目です。
どうやって測るかというと…
まず、量りたいもろみをろ過して、
液体のみにします(→これをろ液といいます。)。
このろ液をこれで測ります!
その名も「清酒メータ」!
こちらは前に日誌で紹介させて頂いた機器です。
この機器にろ液を準備。
このろ液を清酒メータにホースを通して吸ってもらい日本酒度を測定します。
待つこと2~3分。
ピピピピピピッ!
という音が鳴り結果が画面に表示されます!
はっ!ハイテク!!!
ボタンひとつでもろみの日本酒度を知ることが出来ます!
ここで、気になることがあります…
清酒メータが来たのが●年前。
ということはその前は日本酒度を測っていなかったの?
と、思ったのですが!
日本酒度というのはとても大事な項目。
もちろん測っていました!
しかし、「清酒メータ」ではなく、
以前は「ふひょうけい」なるもので測定していたそうです…
また訳の分からない単語の登場です!!
「ふひょうけい」についてはまた次回書かせていただきます。
…日本酒度編長くなりそうです(汗)!
このたび平成26年度泡盛鑑評会の「古酒の部」で
「松藤6年古酒」が優秀賞および県知事賞をいただきました!
県知事賞は、優秀賞の酒造の中から今回5酒造が選ばれ、その中の一つとして
私たちの泡盛も選ばれたとても名誉ある賞です。
このような評価をして下さった皆さん、ありがとうございます。
この「松藤6年古酒」をつくるまでに
何度も試飲を行い、
あれでもないこれでもない!
あ、これも美味しい!でもこれも…!
と、鑑評会に提出するお酒を選ぶのがとても難しく、
いくつか候補があったのですが、提出するのが2つと決まっており、
厳選しなければいけなかったので、とても大変でした。
皆で選んだお酒が受賞したことをとてもうれしく思います!
6年古酒をつくるにあたって、
この時はこんな造りだったよね!
確かこんな麹で、蒸留したときはこんな味だったよね!
と、この子(6年古酒)のことを思い出して話をすることができたので
とても良い機会をいただいたな。と、製造一同感謝しています。
今まで以上に身を引き締めて泡盛製造に力をいれていきたいと思います。
泡盛のもろみが順調に成長しているか?を知るには、
見ること・聞くこと・嗅ぐことの他に
専用の機器を使用して知ることが出来ます。
機器を使用する分析方法として、
前回紹介したアルコール度数のほかに
「日本酒度」というものを調べる方法があります。
日本酒度というのは、
泡盛もろみ中の糖分の比重を測る項目です。
この日本酒度の数値(目盛り)は、
蒸留水の重さを0とします。
もろみ中にはお米の糖分があります。そのためもろみは水より重いです。
なぜ重くなるかというと、糖分は水より重いためです。
その糖分が多ければ多いほどマイナスの値になっていきます。
蒸留水より軽くなるには糖を少なくし、かつアルコール濃度を高めることで、
水より軽くなり、プラスの値がでてきます。
…と、文章だけでは分かりずらいので、
次回に日本酒度の測定方法となぜ糖分を測る必要があるのか?
を紹介させて頂きます。
浸漬が終わるといよいよ「蒸し」にはいります!
余分な水分も切りながら時間とあとは目視で蒸していきますよ!
造りでは何でも目で見て確認するのが大切です(^-^)